赤城へ行く→パンダカラーのハチロクレビンがいる→アクセルを踏み込んで通過。
または、
赤城へ行く→パンダカラーのハチロクレビンが来る→FDに飛び乗って全開走行で逃亡。
そんな日々が何日か続いている。
いい加減うんざりだよー…。

 

 

 

 

避難

 

 

 

 

赤城に行けば渉と顔を合わせる。顔を合わせれば迫られる。
それに疲れた は妙義へと来ていた。

「もーホント嫌になっちゃうわ。変なのに好かれちゃったなー。
大体さー、こんな明らかに避けられてたら気付くでしょ!?嫌がられてるって!あー、走り込めなくてストレス溜まるぅーっ」

ベラベラと捲し立てる様に愚痴をこぼす
この妙義へも、走りにというよりは溜まりに溜まったストレスを発散しに来ている様なもの。
当然愚痴をもらされる相手にはいい迷惑だ。

(俺はお前の愚痴にストレス溜まるって…)

本日の相手、妙義ナイトキッズの庄司慎吾も心の中でそんな事を呟いていた。
とはいえ、大のお気に入りである が度々妙義へ顔を出す様になった事は喜ばしい事だ。

「いいじゃねぇか、妙義で走りゃ。無視しときゃそのうち諦めるだろ」

言いながら の頭を撫でる。

(これ以上余計なライバルは増えて欲しくないしな)

本心はそれで、同情して言ったのではないらしい。

「だといいけどっ。っていうか何で皆して頭撫でるのかなぁ?」
はちっこくて撫でやすいんだろ」
「私は子供か!」
「へぇ〜?子供じゃないってーのか。それなら…」

慎吾は嫌な笑みで を見る。
と、同時に…

バチンッ

「ってーな!こら、 ー!!」

のビンタが炸裂したのであった。

「慎吾が変な目するからよ。いやー、ここにも変なのがいる〜ッ」
「誰が変なのだ。アイツと一緒にすんじゃねー!ったく、冗談だっつの」
「ふーん?」
「ふーんじゃねぇよ。俺はお前の事追っかけたりした事ねーだろうが」
「追いかけても追い付けないの間違いじゃない?」
「ぐっ。ウルセー!」

慎吾は の頭をわしゃわしゃとかき回した。
仲良くじゃれ合う二人の姿は(慎吾には悪いが)兄妹の様だ。

「うわーん、慎吾がいじめるッ!髪ぐっちゃぐちゃじゃないの!」
「嘘泣きしてんな。ホラ、これやっから」

ポーンと投げて寄越されたそれは包み紙にくるまれたキャンディ。
はすかさずキャッチした。
以前から慎吾が会う度にくれるものだ。

「やったー♪」

は嬉しそうにそれを口に放り込んだ。
何の変哲もないキャンディに思えるがそうでもなく、 はこれが大好きだったりする。

「ねー、コレどこで売ってんの?いい加減教えてよ」
「さぁてねぇ?」

クク、と笑ってシラを切る。

「いっつもそれだし…」

何度聞いても決して教えてくれない。
慎吾もキャンディをバラで持って来る為、パッケージすらわからない。
情報は包み紙だけ。
これでは自分で買おうにも買えない。

「欲しけりゃ俺んトコ来りゃいいだろ。いつでも用意して待っててやるよ」

ニヤと笑って の肩を抱いた。

 

 


 

++後書き…もとい言い訳++

グハッ☆
何でこんなに短いんだろう…;;
この連載で一番短いんじゃないか?
えーと、今回は妙義で慎吾とじゃれて貰いました〜。
いや、最後は誰かと落ち着いて貰う事になるからさ。
あんまり絡みの無かったキャラとも絡んで貰っておかないと…ね。
渉とはお題の方始めたからそんなに絡まないかも。
でもくっつく予定のキャラがやきもきする程度には活躍して貰おうかな、と目論んではいますけれども。

−2004/9/16−