「・・・・・・・・・・あ゛ー・・・・・・・・・・・眠れねぇ・・・・。」




いつもの慌ただしさも静まる、ドミニオンの夜。
オルガはなかなか寝付けないでいた。





















狼ママ
























いつもならすんなり・・・・・とまでは行かねーけど、今頃は普通に寝れてる筈なんだが。
多分・・・・っつーか絶対。 に勧められて、仕方なく飲んだコーヒーが原因だろーな。
いくらしつこく頼まれたからって、断ればいいものを・・・・。
我ながら馬鹿な事をしたもんだ。
まぁ、今更どうこう言っても、眠れねぇのに変りねーんだけど。





















『・・・・・・・・・・・・ホットミルクでも飲んでくるか・・・・・。』






















民間処方が効くとも限らないが、少なくとも何もしないでいるよりはマシだろ。
丁度喉も渇いてきたことだし。
とりあえず、さっさと飲んでさっさと寝よう。
明日も早いんだし。
そのまま、なるべく物音を立てない様に部屋を出ると、食堂の方へ向かった。











夜の廊下は静かだ。
普段が喧し過ぎるだけに、一層違和感を感じる。
いつもこれくらい静かなら、落ち着いて本も読めるんだけどな・・・・。
まぁ、んなこと絶対有り得ないけどな。アイツがいる限りは。
つーか、アイツとクロトがいる限りは絶対無理だな。
ったく・・・・・・・イイ年こいて何であんなに煩いんだアイツ等は・・・・?

















そうブツクサ考えてる内に、食堂の前まで来たんだが。
喋り声が聞こえてくる。
別に聞こえようと聞こえまいと関係ねーんだけど、どうもおかしい。
なんっつーか、誰かさんのよくする独り言の様な・・・・・・。






















『まさか・・・・・。』






















入ってみると、調理場にだけ明かりが点いてて食堂内は殆ど真っ暗だった。
そして、その調理場の奥から聞き慣れた声が耳に入って来る。






















「うーん、どうもオカシイな・・・・・これで動く筈なんだけどなー、何故に?」




















・・・・・やっぱり だった。




















「オイ、お前・・・・・・・・・・・何やってんだよ?」



うわぁ!!御免なさい!!・・・・・・・って、何だオルガか。驚かせないでよ!?」



「そりゃコッチの台詞だ!大体、こんな時間に何やってんだよオメーは・・・。」



「え?あたしはただ、眠れないからホットミルクでも飲もうかなぁと・・・・・。」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・お前、馬鹿か?」



「は?何で馬鹿になんのさ!」



「当たり前だろ!自分から缶コーヒー飲んどいて『眠れない』とかほざくんじゃねーよ!!」



「だって、急に飲みたくなったんだもん。オルガもあるでしょ、そーゆう事」



「しかも全部飲めねぇの隠して、オレにまで飲ませやがって・・・・!」



「だって、飲んでたらお腹パンパンになって来たからさ・・・・。
つーか、その事についてはその時謝ったでしょ?オルガさんもう許して下さいよー。」





















怒ってる俺とは反対に、むかつく程アッサリしてる
コイツには悪気ってモンがねぇのかよ・・・・。
何か1人で怒ってる自分が虚しくなって来た。





















「チッ・・・・・・・・・・もぅいい。とりあえず俺にもホットミルクくれよ。」



「あぁ〜〜〜・・・・・いや、それなんだけどね。レンジが動かないんですよ、コレが。」



「はぁ?何で動かねーんだよ。ボタン押すだけだろーが。」



「それがさ、あたしが間違って変なボタン押したみたいで・・・・動かなくなっちまったんですよ。」



「何でボタン1つで動かなくなんだよ・・・・・・・有り得ねぇだろ。」



「でも現に動かない訳だし、案外有り得るんじゃない?」



「あ゛〜〜っ、もうイイから見せてみろ!!」
























このまま のペースで話続けると、朝になっちまう。
まぁ、宇宙に朝も何もねぇけど。むしろ、しょっちゅう夜な訳だけど。
とにかく時間が惜しかった。


































「う゛あぁ〜〜〜・・・・・・体の芯まで暖まるね〜・・・・・。」



「そりゃ良かったな。」



「流石はオルガ!レンジもすぐ直すし、あたしの分もホットミルク作ってくれるし。しかも美味しいし!
きっと良いお母さんになれるね、うんうん・・・・。」



「・・・・・・・なりたか無ぇよ。」



「勿体無いこと言うなよ。」



「何が勿体無えんだよ!男が良き母なんて言われて喜ぶ訳ねえだろ!!」



「あはははは。まぁ、そう怒らずに・・・・・・・・。
よしっ。作ってもらったお礼も兼ねて、あたしがコップ洗ってあげようではないか。それで許して。」



「チッ、すぐそーやって話を逸らしやがる・・・・・・・・・・・・ほらよ。」



「はいはい、お任せあれー。」
























珍しい の好意に甘えて、空のコップを渡す。
それを受け取ると、鼻歌を歌いながら流し場で洗い始める
はぁ・・・・何とかレンジを直せたのは良かったが、何故か の分まで作る羽目になった。
こーゆう時、自分はつくづく損な性分だと思う。
いや、性分とゆーか。惚れた弱みというか・・・・・・・・・何か虚しくなって来る。
何だかんだで、未だにオレの一人相撲な訳だし。
コイツも全然気付かねーし。












カチャカチャ食器をこする音と水の音が混じって、 の鼻歌と共に薄暗い部屋の中に響く。
ボーっと黙りこくって、今頃気付いた。





よく考えたら2人っきりだ。











コップを洗う の後ろ姿を見ると、寝間着なだけあっていつもより薄着だ。
微かに頭が動く度に、髪の間からうなじが見えて。
それだけで少しムラっと来る。














・・・・・・・・・・・・・・・・・・何考えてんだよオレは。






は食器洗ってるだけだろ?
なに1人で興奮してんだよ・・・・・・・みっともねぇ。
視線を逸らしても、落ち着かなくて。まだどこか体が熱い。





何かなぁ・・・・・・・・・・・・・・・男ってつくづく不憫な生き物だ。






















「ほい、終了〜。オルガ終わったよ。」



「あ・・・・・・・・・・・・おぅ。んじゃあ戻るか・・・・。」



「うーーん・・・・・あたしはもうちょっと話したい気分なんだけどな。飲んだばっかでまだ眠くないし。」



「いや・・・・・・・オレ、明日早いし。」



「あ、そーだったね。それじゃあ仕方ないかー・・・・残念。」
























そう言って、濡れた手をタオルで拭くと、そのまま厨房から出ようとする








その時。無意識に の手を掴んでた。
この又と無い機会。
逃してどーすんだって。頭で思う前に体が先に動いた感じだった。

























「ん?なにオルガ?」



「・・・・・・・・・・・お前は・・・。」



「はい?」



「お前は・・・・・・・・・・・こんな夜にオレと一緒に居て何とも思わねーのか?」



「え・・・・・・・・はぁ?何をイキナリ?」



「何とも思わねーのかって、聞いてんだよ。」



「別に・・・・・・・・・オルガはオルガだし。あたしに変な気起こすとは思えないしさ。」



「何を根拠にそう思ってんだよ。」



「根拠と言われても・・・・・・・・ねぇ、どーしたのオルガ?怒ってんの?ちょっと変だよ・・・?」



「・・・・・・・・変なのはお前だよ。」



「誰が変っ・・・・・・・・・うわっ!?」
























力を入れてグッと引っ張ると、バランスを崩してコッチに倒れて来る
そのまま、無理矢理引き寄せた を抱きとめる。
突然の事でまだ頭で理解出来てないのか。
抵抗もされず、すんなりと抱きしめられた。






















「えっと?あのー・・・・・・・・オルガ?」



「・・・・・・・・・お前はこーでもしねえと分んねーだろ。」



「な、何が・・・・・・・・・・・・っひゃああ!!お、オルガ首!くすぐった・・・・・・ひゃおぅ!?」






















逃げれない様に、腰と首に手を回す。
首筋に軽く触るだけで、くすぐったがる
ふーん・・・・・・ココが敏感なのか。






















「前にも言ったよな、あんま男の前で無防備で居んなって。」



「ひゃっ!ん?う、うん・・・・・言っ・・・・・・いひひひひっ、言ってたね。」



「でもお前は全然分ってねーみたいだな。」



「何で・・・・・・・な、なん・・・・・っ!ひゃっ!?うあっ・・・・・・。」



「・・・・・・・・・・・・・お前、首触られるだけでそんなにくすぐってーのか?」



「っはぁー・・・・・・・・うーん、いや。くすぐったいってゆーか、変な感じにこちょばいってゆーか・・・・。」



「ははぁ・・・・・・・・・おーし、分った。」



「へ?分ったって何が・・・・・・・・え゛!?ちょっ、ちょっ、ちょっ・・・オ、オルガ!?」






















そのまま と目線が合うくらいまでしゃがむと、首筋にキスしてやった。
最初軽くすると、今度は甘噛みしたり角度をかえたりして。 の首に舌を滑らせる。
すると、今まで聞いた事もない声色で が悶えた。

























「んぁっ・・・・・・・・・・・・・オ・・・・・オルガ、やっ、やめ・・・・・・うぁっ・・・・。」
























きつく。跡が残るくらいに刺激すると、その分 の声が震える。
その声を聞くだけで、たまらない優越感を感じた。
ただ顔を埋めて、噛んだり唇が触れたりするだけで。 がこんなに感じてる。
それがどんなに愛しい事か。











力の抜けてる を押し倒すのは簡単で。
それが、オレに身を委ねるのを許してくれたみたいに思えて少し嬉しかった。
改めて の顔を見ると、いつもと違う「女」の表情でオレを見てた。
目を潤ませて、信じられないとでも言いたげだったが、それが逆にオレを触発させる。
頬は少しばかりほてって、息遣いも少し荒い。




















「オルガ・・・・・・・・な、なんで・・・・・・・・こんな・・・。」



「・・・・分るか?ちょっと油断しただけで、こんなに位置が変っちまうもんなんだよ。男と女ってのは。
お前が可愛いだの何だの言ってるクロトだって。その気になりゃ、お前なんて簡単に押し倒せんだぞ。」



「・・・・・・・だ、だからって!オルガがこんな事しなくてもいいじゃんか!」



「お前は普段から警戒心ってのが足りなさ過ぎるから、身体で教えさせてやってんだろ。」



「でも・・・・・うわっ!!ちょっと待ってよオルガ!どこに手ぇ入れてんの!?」



「安心しろ。自分で言うのも何だが、オレ巧いから。」



「そーゆう事じゃなくて!!ちょっ・・・・あっ・・・・・・やだって!あ、あたしに発情しないでよ!?」



「お前だってさっき感じてたじゃねーか。もっと気持ちよくさせてやるよ。」



「明日早いんだろ!!もうさっさと部屋帰って寝よーよ!!」



「ココまでやらせといて1人で処理させんなよ・・・・・・つー事でお前も道連れな。」



「だ、駄目だってば・・・・・・・・やっ!あ・・・・・ぁあッ・・・・。」





















の甘美な声が響く。
邪魔しに来る奴なんて誰もいない。クロトもシャニも、部屋で呑気に寝てやがる。
今、この瞬間。 を独占できる喜びで充たされてて、今まで我慢してた自分が馬鹿らしく思えてきた。
後の事なんてどうでもいい。
とにかく今は、もっと見た事ない を見たい。








支配欲に酔ってるオレが、下着に手をかけようとしたその時。
ドアの開く音と共に、2つの声が耳に入った。






















「しつこいですよ、アズラエル理事。何度もお断りしている筈です。」



「いや、しかしそのワインは絶品でしてね。やはり僕1人で飲むのも何ですし・・・・。」






















「げっ・・・・・・・・アズラエル!?」


















せっかく待ちに待った絶好のチャンスなのに、ムカつく上司が女(しかも艦長)連れて入って来やがった。
それが分った時、驚いて一瞬 を抑えてた力が抜けた。





















「すっ、隙有り!!」

















そう叫ぶ の声と共に、頭に凄い衝撃が走る。
同時に、オレの意識はプツリと切れた。


































「うわああああん!!艦長ォォおぉ〜〜〜!!!」






















そう叫びながら、ひしっとナタルに抱き付く
突然、暗闇から現われたと思ったら、泣きながら自分に引っ付いて来た部下に心底驚くナタル。





















「なっ、 二等兵!?」



「おやおや? 君じゃないですか。こんな時間にこんな所で何してるんです?」



「話すと長くなる上に、プライバシーに関わるんで言えないんですけど・・・・・良かったぁ〜〜っ。」



「な・・・・何が良かったのだ?それに、あそこに倒れてるのは・・・・?」



「あ、あれはオルガです。あたしが頭突きしたから気を失ってるだけです。安心して下さい。」



「頭突き!?お前達、一体何を・・・??」



「はっはぁ〜〜〜〜〜・・・・・・成る程。そーゆう事ですか。」




















混乱しているナタルに反し。
先程の の反応と、倒れているオルガを見て、何となく自体を感知したアズラエル。
1人で頷いたまま不敵な笑みでオルガを見ている彼に、不満そうなナタル。




















「何がですか?分ったのならどーゆう事か教えて頂きたいのですが・・・。」



「ははははは。つまりアレですよ、若気の至りってヤツです。」



「はぁ?」



「よしよし、 君も大変だったね。もう大丈夫だよ。彼には後でおしおきしませんとね。」



「あ、あの。何をおっしゃって・・・・・・・?」



「あははは。それにしても・・・・・華と華がそう密着してるのもなかなか艶やかで良いですねぇ。」



「なっ・・・!茶化さないで下さい、アズラエル理事!!」
























相変わらずマイペースに話を進めるアズラエルに、また不満を募らせるナタル。
アズラエルはアズラエルで、そんな分りやすいナタルの反応を見て楽しんでいる様だった。





















『嗚呼っ・・・・・・・・・・・・・艦長の胸、やわっこくて気持ちイイ〜〜・・・・・。』





















一方、 はというと。
さっきまで貞操の危機に遭っていたにも関わらず。
オルガを怖がる事も、男に恐怖を覚える事も無く、酔っ払いの親父の如く艦長の胸の感触を堪能していた。












































50本リクエスト献上ドリ。
何か攻め感が半端で申し訳ない。

 

 

 

 

☆涼風コメント☆

尊敬サイト「雨フラシ」様からフリーだったので頂いて来た夢ですv
素敵過ぎてコメント不可!
とにかく萌えです。この一言に限ります(ドキドキ