”あの苦しみ”を理解し合える仲間だったシャニ。
帰る場所
シャニが墜とされた。
「シャニーッ!!」
別に仲が良かったワケではない。
しかし唯一
一冊の小説を手にしたオルガはいつもの様に休憩室へとやって来た。
そこに広がる光景は彼らにとって日常的なものだ。
ゲームに夢中になっているクロト。
起きているのか寝ているのかわからないが音楽を聴いているシャニ。
そしてオルガがいつも座っているソファでは
が読書をしている。
オルガ同様読書が好きな
。
趣味が合うからなのか、二人の距離が縮まるのにそう時間は必要なかった。
今ではドミニオンクルーも公認の仲である。
オルガは真っ直ぐ
の方へ向かい、無言で隣に座る。
の目はオルガに見向きもせず文章を追いかけている。
「面白いのか?それ」
自分へ向けられない意識に物足りなさを感じて声をかけた。
我ながら子供っぽい感情だと思いはしたもののそうせずにはいられなかった。
果たして自分はここまで独占欲が強かっただろうか。
たかが本の一冊に嫉妬するなど。
その問いで漸く顔を上げた
。
「うん、面白いよー。貸そうか?」
「まだ読んでんだろ?読み終わったらな」
そう言ってオルガも自分の本を開く。
は頷く代わりに笑みを返した。
つられて笑みを浮かべてしまうオルガ。
クロトとシャニがやれやれ、と溜息を吐いていたのを二人は知らない。
それきり言葉を交わす事もなく、寄り添う様にソファに収まる格好で読書に耽った。
コクピットに鳴り響くアラート。
敵機の接近を知らせるアラートだ。
熱源はあの赤い機体――ジャスティスのもの。
しかし今からでは避ける事も攻撃を加える事も出来ない。
背後からの攻撃でカラミティは上半身と下半身とに切り裂かれた。
「ああああぁぁぁぁー…ッ!」
まだ。まだだ。
ここでやられてたまるか!
から本を借りる約束をしたんだ。
まだあの本を読んでねぇ。
に
俺は の隣に帰らなきゃならねぇんだよッ……
++後書き…もとい言い訳++
シャニが墜とされて、自分が墜とされる!
という時にふいに思い出したのは大切に思っている人物だった
というお話(の筈)
あぅー、悲しひ…(T-T)
コメント思い付かん(マテ)
−2003/10/3−