好きな様な…
嫌いな様な…
凄く、すっごく複雑な気持ちが胸中を占めている今日この頃。
だって…ねぇ?

 

 

 

 

複雑な気持ち

 

 

 

 

私はこのアークエンジェルで整備士の仕事をしています
主にフラガ大尉の乗るメビウス<ゼロ>が担当です
整備が終わって機体の洗浄も終了
ゼロはとってもピカピカです

「うっし、美しいぞ〜ゼロ!」

でも、まぁ…また戦闘に出て行って汚れちゃうんだけどね
そんな綺麗になった機体にコツン、と額を預ける
実は…私、フラガ大尉が好きだったりするのです////

「いいねぇ、お前は。いつでも大尉と一緒で」

ツルツルになった機体の表面に指を滑らせつつ呟く。

ゼロも好きだけどやっぱりフラガ大尉に対する気持ちとは違うからね
正直複雑なんだよな〜
何て言うのかな
彼を戦場へ連れだしてしまうのは確かにゼロなんだけど、彼を守ってくれるのもまたゼロで…
要するに私はゼロにちょっと嫉妬してるのかも知れないって事
お恥ずかしい話です
MAに嫉妬なんてねぇ
彼は軍人だし、戦争をしているワケだからいつ手の届かない場所へ行ってしまうかわからない
でもゼロは散る時も一緒
って、何を不吉な事を…

「やっぱりズルイな〜」

そう言ってゼロをペチンと叩いた。

「何がズルイって?」

背後から声。
思わず固まってしまう

?」

この私の名を呼ぶ声…
き、聞き間違いじゃないかしら!?

そんな事を考えながら は恐る恐る首だけで後ろを振り返ってみる。
そこにいたのは間違いなく彼、フラガだった。
フラガは首を傾げている。

あ〜もぉっ☆
これよっ、28歳の大の男がこんなに可愛くていいと思ってるの!?

はゼロにへばり付きながら心の中で狂喜乱舞。

「もしも〜し、 ?俺の声聞こえてるかぁ?」

フラガ大尉は言いながら の目の前で手を振る。
そのフラガ大尉の行動で は我に返る。

「き、聞こえてますっ」

慌ててシャキッと背筋を伸ばして答える。
そんな を見たフラガは僅かに笑みを浮かべた。
そのまま の方へ歩を進めるとゼロに片腕を付く。
はゼロに背を預けた状態でフラガに見下ろされている。

え?えっ?なっ、何ぃっ!?この美味しい状態はぁぁ〜ッ

「聞こえてるなら無視しないで欲しいなぁ」

にっこりと微笑んでいるフラガ。
は体を固くしてフラガを見上げる事しか出来ない。
何か言いたくても思う様に口が開かないのだ。
先程から金魚の様に口をパクパクさせている。
顔も赤い。
それどころか首まで真っ赤だ。
そんな顔の をクスッと笑うと、額にそっとキスを落とす。

「何がズルイって?」

フラガは改めて同じ質問をぶつける。

何が…って
フラガ大尉と一緒にいられるゼロが羨ましいなぁって思っただけなんだけど
そんな事、本人目の前にして言えるワケないじゃな〜いっ
うわっ、わわ…ど、どど、どーしよーッ☆

「何でもありませんッ!!」

裏返った声で叫んだ はわたわたとフラガの腕をくぐり抜けてその場を逃げ出した。
ところが…
フラガがそう簡単に逃がしてくれるワケもなく、しっかりと腕を捕まれてしまう。

「なーにも逃げる事ないだろ?」

どうして耳元でフラガ大尉の声が聞こえるんだろう?

そろりそろりとそちらを向く。
勿論そこにあったのはドアップのフラガの顔。
の耳元に口を寄せて囁いたのだから当然なのだが。

「何でもないってのは嘘だろ?じゃなきゃ『いいねぇ、お前は。いつでも大尉と一緒で』な〜んて言ってくれないでしょーが」

嬉しそうな緩んだ顔でそう言ったフラガはそのまま を腕の中に閉じ込める。
後ろから抱き締められた は耳まで赤く染めて俯く。

「最初から聞いてたんですね…」
「まぁね。 があんまり嬉しい事言ってくれるもんだからさ。俺もなんかしなきゃな〜って思ってな♪」
「…大尉がそんなにサービス精神旺盛だったなんて知りませんでした」
「そうか〜、ならもっと俺の事知って貰わないとだ」

嫌味のつもりで言ったんだけどー…

憮然とした表情の はそのままフラガの部屋へと連行されたのでありました。

 

 


 

++後書き…もとい言い訳++

初フラガ夢
寝る前にウトウトしながら考えた話です(笑)
なんか…中途半端?
片思いだと思い込んでいたヒロイン、実はフラガもヒロインを想っていた
そういうつもりで書いてたんだけどよくわかんないッスね

−2003/5/14−